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 コンセンサス会議影響〜デンマークの例
 
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コンセンサス会議が現実にどのような政治的影響を及ぼしたか。以下はその一例である。

直接的な影響
  • 1987:産業と農業での遺伝子操作技術:1987-90にかけて、政府は動物への遺伝子技術に対する研究史金の提供を中止した。
  • 1989:放射線食品照射:議会は、乾燥種子以外の食品に対する放射線照射を禁止した。
  • 1989:ヒトゲノム計画:議会は、雇用や保険契約時の遺伝子試験を禁止した。
  • 1991:教育技術:こうした教育技術が未成熟で、投資に値しないということが教育界で理解された
  • 1992:動物の遺伝子操作:デンマークのバイオテクノロジー企業のトップが、同社の方針にコンセンサス会議が影響したことを表明した。
  • 1993:民生用交通の未来:コンセンサス会議の結果を受けて、環境大臣がガソリン価格を4倍に値上げする意思を表明。
  • 1994:交通における情報技術: 国内省の役人が、この交通情報技術を適用する場合には、安全性を優先することを表明。
間接的な影響

以上のような政策に直接結びついた影響以外にも、さまざまな影響が考えられる。まず、コンセンサス会議はマスコミの注目を集めるので、それが社会的議論を促進する。また、コンセンサス会議は、その課題についての「最新の民主的議論」として、その後の社会的討論では必ず引用されるし、そこでの提起が政治的アジェンダ(議題)にしばしば取り上げられる。コンセンサス会議のこうした「アジェンダセッティング(議題設定)機能」も重要な間接的影響の一つだ。

 さらに、「一般の人々」が、最先端の科学技術を含む厄介な問題に「なんとか対処できる」という自信を、広く社会に与えることも重要で、これがさらに厄介そうに見える「専門家支配」の課題へも、市民参加を促すきっかけにもなると考えられる。



デンマークで生まれた
このテクノロジー・アセスメントの「一つの」方式として、「コンセンサス会議」は、1986年にデンマークの民主主義を母に、アメリカのコンセンサス・ディヴェロップメント・コンファランス(新しい医療技術について、その技術の専門家から説明を聞いた上で、治療にあたる医師たちがコンセンサスを生み出すというアメリカで生まれた仕組みで、これは現在アメリカだけでなく、オランダ、イギリス、北欧などでも医療に関わる問題について用いられている)方式を父に生まれた。最初は病院協会、社会科学評議会、議会の下にある倫理評議会(Council of Ethics)なども開催したが、現在では議会の下にあるテクノロジー・アセスメントを行なう機関である「テクノロジー委員会(DBT)」(Teknologi Raadet, Danish Board of Technology)(1985年創設)(別記事参照)が中心となって開催している。



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