Google
WWW を検索 AJCOSTページ内 を検索
     
■■ 資料案内
  コンセンサス会議の
  特徴
  デンマーク方式の
  標準的手続き
  日本における実践例
  外国における状況
  設立趣意書
  会則
  参加方法
  勉強会
  シンポジウム2002.06
  科学技術の定義
  コンセンス会議の
  有効な範囲
  科学技術への
  市民参加の意義
  コンセンサス会議の
  方法など
  提言の扱い
  科学技術への市民
  参加を考える会に
  ついて
 


● デンマーク方式の標準的手続き ●

デンマーク方式のコンセンサス会議標準的手続き
10年以上の経験を経て、デンマークのコンセンサス会議はおおよそ次のように開かれている。各国での試みでは、それぞれの事情に合わせた手続き・方式が工夫されているようである。

会議は計画・準備段階と、3日続く会議自体に分かれる。
[計画・準備]
計画は会議の6カ月前に始められる。運営委員会、事務局が決められ、活動が始まる。会議開催までのスケジュールが決められ、市民パネル司会(ファシリテータ)(会議の司会を務め、コンセンサス文書を作るまで、市民パネルの活動・議論を助ける)が選ばれる。ついで、関係する専門家のリストが作られ、市民パネルにテーマを説明する文書(既にあるものを使ったり、ジャーナリストなどが客観的な説明を書いたりする)が用意される。テーマによっては、計画の初期段階で関係する団体・集団から人を集めてのヒアリングが開かれる。
[市民パネルの構成]
市民パネルが地方紙(5、6紙でデンマーク全体をカバーできる)の公告を通じて集められる。応募者は自己紹介、テーマについて持っている知識、参加したい理由を紙1枚に書いて申し込む。14人程度の市民パネルが年齢・性別・教育程度・職業・地域を考慮して構成される。選ばれたメンバーにはテーマを説明する文書と会議の進め方を説明する文書が渡される。
[専門家パネルの構成]
事務局長は候補となった専門家に接触し、専門家パネルに参加する意思を確認する(パネルに入った専門家は質問に応え、短いプレゼンテーションをし、会議全体を通じて出席しなければならない)。
[準備のための第1回週末会合]
会議の2、3カ月前に準備のための第1回週末会合が開かれる。市民パネルは会の目的、進め方、司会の役割を聞き、互いに自己紹介し合う。そして、何を問題とするかを決める上で必要な基礎的知識を得た上で、鍵となる質問を決め、どのような専門家たちに答えて欲しいかを決める。
この後、事務局長は専門家パネルを作り、会議の最終プログラムを決める。
[準備のための第2回週末会合]
会議の約1カ月前に、準備のための第2回週末会合が開かれる。ここでは、さらに議論が続けられ、専門家への「鍵となる質問」を最終的に決めて文書化する。市民パネルは専門家パネルの構成を承認する。この質問は会議のプレゼンテーションを準備するために専門家パネルに送られる。
[会議開催]
会議前夜、市民パネルは集まって、最後の準備討論をする。

第1日(公開) 専門家パネル(10〜15人)はそれぞれ2、30分で市民パネルの出した質問に答え、見方・知識を提示する。質疑応答は事柄を明らかにすることに限ってなされる。
第1日夜 市民パネルは鍵となる質問がどのように明らかにされ、どの部分がさらに明らかにされる必要があるかを話し合う。これに基づいて、第2日にどのように専門家に質問するかを決める。
第2日午前(公開) 市民パネルは専門家に質問する。ここでは、さらに聴衆に質問をし、考えを述べる機会も与えられる。
第2日午後 夜:市民パネルは最終文書を用意する。パネルは始めいくつかのグループに分かれて議論し、それを持ち寄ってさらに議論してコンセンサスを作る。これには多大の時間がかかり、多くの場合、深夜に及ぶ。
第3日午前(公開) 市民パネルは最終文書を発表する。専門家は技術的誤りや誤解を訂正するよう求められる(内容にはコメントできない)。その後、会場全体で議論する。なお、聴衆には一般参加者の他、議員やマスコミが招待される。
プログラムがすべて終わると、プレス・レセプションなどが開かれ、メディアはさらに市民・専門家パネル、会議主催者に質問する機会が与えられる。最終文書、プレス・リリースなど:最終文書は技術的誤りなどが訂正された上で、専門家の説明文書などと共にレポートとして出版される。なお、メディアに対しては節目ごとにプレス・リリースが行なわれる。テーマによって程度は異なるが、デンマークでは、コンセンサス会議はメディアによってかなり報道されている。



同類資料

 
 
(C)2002-2004 AJCOST 科学技術への市民参加を考える会  All Rights Reserved.